28चयनित
Topic
本をたくさん読んでる人が賢いとは限らないって思うんだけど
読書は人を賢くする、本を読めば読むほど頭が良くなる。教育の場でも繰り返し言われてきたけど、この等式はそんなに単純じゃない。読んだ量と賢さは、思っているほど直結していないと思う。 まず、ただページをめくっているだけの読書は、案外何も残さない。文字を目で追って読み終えた達成感は得られても、内容を自分の頭で噛み砕いていなければ、知識として定着しないし思考も鍛えられない。読んだ冊数を誇る人が、その中身を聞かれてうまく説明できない、というのはよくある光景だ。情報を通過させているだけで、賢さにはつながっていない。 何を読むかでも中身は大きく変わる。自分にとって心地いい主張だけを集めた本ばかり読んでいれば、視野はむしろ狭くなり、偏った考えを強化するだけになる。読書が思い込みの補強材料に使われることだって普通にある。冊数が増えるほど賢くなるどころか、頑固になっていく読み方すら存在する。 賢さを左右するのは、読んだ量ではなく読んだ後の処理の方だ。書かれていることを疑い、自分の経験と照らし、他人と議論して揺さぶる。その過程を経て初めて、読書は思考の糧になる。本を開くだけで賢くなれるなら苦労はない。道具をどう使うかの問題を、道具を持つこと自体の効能とすり替えてはいけないと思う。