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何でも国民投票っていうのは結構危ない?
大事なことは国民が直接決めるべきだ、だから国民投票をもっと頻繁にやろう。民主的で正しく聞こえる主張だが、これを増やす方向には賛成できない。直接投票には、思っている以上に危うい性質がある。 政策の多くは、賛成か反対かの二択に押し込めるには複雑すぎる。税制も安全保障もエネルギーも、専門的な検討と細かな条件設定の積み重ねで成り立っている。それを一問の設問に圧縮した瞬間、大量の論点が切り落とされる。有権者の大半は、その分野の詳細を検討する時間も情報も持てない。結果として、投票の判断はスローガンやイメージ、その時の空気に左右されやすくなる。ブレグジットの後に「そういう話だと思っていなかった」という声が噴出したのは象徴的だ。 短期の感情に流されるリスクも大きい。財政再建や年金改革のように、今は痛みを伴うが将来のために必要な政策は、直接問えばほぼ通らない。逆に、減税や給付のように目先の得になる話は通りやすい。人気のある選択ばかりが積み上がれば、長期の視点は失われていく。少数派の権利を多数決で削る、という展開もありうる。 代議制は、時間をかけて審議し、専門家の意見を聞き、修正を重ねるために設計されている。もちろん議員が民意を無視することへの不満は分かる。ただ、その処方箋は投票の回数を増やすことではなく、選挙と議論の質を上げることのはずだと思う。
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