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がんの告知って、本人に絶対しなきゃダメなものなの?
かつての日本では、がんは本人に伏せて家族にだけ伝えるのが一般的だった。今は逆に、本人告知が原則とされ、家族への説明は本人の同意を前提とする方向に変わっている。この転換の背景には、患者本人が治療方針を選ぶ権利、いわゆるインフォームド・コンセントの定着がある。 原則の正しさは動かない。自分の体に何が起きているかを知り、残された時間の使い方を決めるのは本人だ。知らされないまま治療が進めば、選択の機会そのものを奪われる。ここまでは揺るがない。 ただ「必ず」となると話は別になる。認知症で理解が困難な患者、重度の抑うつを抱えていて告知が自殺の引き金になりうる患者。こうしたケースまで一律に告知を義務づければ、患者を守るための原則が患者を傷つける道具に転じる。医療倫理の世界でも、告知が明確な害をもたらすと判断される例外は認められている。 原則は本人告知でいい。しかし例外を潰した「必ず」は、原則を守るふりをした思考停止だ。
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